Monolix Suite 2023R1 リリースノート
2023年3月
今回のリリースでは、以下の機能強化とバグフィックスが行われています。
Global interoperability
機能強化:
- PKanalix、Monolix、Simulx の計算結果を MonolixSuite の他のアプリケーションにエクスポートできるよう相互運用性が拡張され、既存のエクスポート/インポート機能に加え、以下のことが可能になりました:
- PKanalix の CA の計算結果を Simulx にエクスポートして、同じ被験者が別の投与計画にどのように応答するかの予測。
- Simux の計算結果や Monolix の individual fits、VPC シミュレーションを PKanalix にエクスポートし、シミュレーションデータに対して NCA の実行。
バグフィックス:
- [export] 共有ドライブにエクスポートする際のファイルエクスポート速度低下が修正されました。
Global display
機能強化:
- カスタムされた Word ファイルのテンプレートに基づいてレポートを生成するレポートモジュールが追加されました:
- 任意の Word テンプレートファイルにプレースホルダーを書き込み、PKanalix や Monolix の実行結果(プロットとテーブル)に置き換えることができます。
- 各プロットとテーブルの GUI を使って簡単にプレースホルダーを生成し、Word テンプレートにコピーします。
- プレースホルダーをカスタマイズして、プロットやテーブルを必要に応じた形式でレポート表示します。
- 実測データと VPC プロットでは軸の範囲設定を行うことができます。
- 実測データのプロットでは、共変量によって分割した後、異なるグループの平均値や標準誤差を同じプロットにマージできます。
- MonolixSuite の各アプリケーションのインターフェイスからソフトウェアに関するフィードバックを直接送信できるようになりました。
バグフィックス:
- [observed data] Always Visible で設定されていても dot, line を消すと、投与時間が消えていました。
- [observed data] プロットにドットが表示されていなくても、軸の範囲はドットに基づいていました。
- [Plots] すべてのプロットで、「ランダム カラー」オプションが機能していませんでした (クリックしても何も起こりませんでした)。
- [observed data] プロットが分割されてページ分割された場合、あるページから別のページに移動するときに legend が適切に更新されませんでした。
- [libraries] ライブラリからモデルを選択する際に表示されるパラメータが、必ずしも入力パラメータと一致していませんでした。
Data set
機能強化:
- 入力フォーマットをより柔軟にするため、インターフェイスにデータフォーマットモジュールが追加され、次のことが可能になりました。
- 複数の実測タイプをマージ
- BLQ タグに基づいて打ち切り情報を追加
- 外部ファイルからの治療情報、または手動で多様な設定を追加 (複数回投与、反復サイクル、注入、併用療法、カテゴリーに応じた投与量、投与間隔を機会として利用する)
- 別のファイルから共変量と回帰変数の列を追加
バグフィックス:
- [data interpretation] 非常に特殊なケースで、CENS 列に「1」を含むデータセットをロードすると、左打ち切りではなく右打ち切りと見なされました。
- [covariate statistics] 層別共変量が共変量統計タブに表示されませんでした。
PKanalix
機能強化:
- [Units] 量列に対する正規化単位が追加のされました(体重または体表面積)。
- [CA task] CA で使用するモデルは mlxtran でユーザーが生成することも、MonolixSuiteのライブラリから選択して使用することも可能になりました。
- [CA task] CAのアルゴリズムが修正され、より良い局所的最小値からの脱却、適合度の向上が図られました (標準 PK モデルよりも複雑なモデルには重要です)。
- [CA task] 一般化最小二乗法に基づく新しいコスト関数が導入され、AICとBICを用いたモデルの比較が可能になりました。
- [CA task] 重み付けオプション 1/|Ypred*Yobs| が追加されました。
- [CA results] 新しく COST タブが追加されました。個々のパラメーターテーブルにコストがレポートされ、COST タブには Total cost, -2LL, AIC, BIC の値が表示されます。
- [CA plots] CAに対して、適合度を診断するための新しい Observations vs predictions プロットが追加されました。
- [results] SUMMARY タブのテーブルに”幾何平均 CV”, “調和平均”が追加されました。
- [preferences] テーブル、プロット、レポートに表示される NCA パラメータ名とサマリーメトリック名の編集可能になりました。
バグフィックス:
- [calculations] lambda_z を使用しないパラメータについても、許容基準を使用して個人をフィルタリングしていました。
- [settings] Partial AUC が選択された場合、計算されたパラメータのリストから部分的なパラメータを削除できませんでした。
- [results] Individual estimates の表で、ID と Occasion が整数ではなく倍精度実数で表示されました。
- [data] データセットのヘッダーにCc が使用されているプロジェクトをリロードすると、PKanalix がクラッシュしていました。
- [preferences] 結果テーブルの全ての値に有効数字が適用されませんでした (現在表示されている行のみ)。
Monolix
機能強化:
- [results] 母集団パラメータの表でランダム効果の標準偏差に加えて、変動係数も報告されるようになりました。
- [data] 別の実行から推定された PK パラメータを容易に現在のデータセットの回帰変数としてインターフェイス上で追加できるようになりました。(データフォーマッティングモジュールを用いて)
バグフィックス:
- [check initial estimates] 正規分布以外の Observation モデルは、auto-initialization algorithm によって正しく処理されませんでした。
- [statistical model] エラーパラメータの名前は、モデルのロード後に Monolix によって最初に指定されたデフォルト名に基づいており手動で変更されませんでした。
- [statistical model] 数式表示時に縦スクロールバーが消えてしまうことがありました。
- [plots / VPC] “time after last dose” を選択してから選択解除しても、ビンが選択前の状態に戻りませんでした。
Simulx
機能強化:
- [results] テーブルとプロットでは、個人のシミュレートされた ID を、Monolix の実行結果またはユーザーによって定義された外部要素から取得した識別子にマッピングします。
- [plots] 異なるグループのシミュレートされた結果を同一プロット上にマージできるようになりました。
- [definition] Monolix の実行結果のインポート後に典型的な個人 (オメガが0に設定された) に対する共変量またはパラメータの不確実性の影響をシミュレートするための新しい要素が作成されました。
- [outcomes] 次のようなアウトカムを計算するためのより多くの後処理が可能になりました:
- 特定の値(以下、以上、その間)を計算
- カスタム時間での出力値の計算
- 最小値/最大値に対する正規化 (ベースラインに加えて)
- 時間を連続的またはイベントタイプとして報告するアウトカムの定義
- [definition] ワンクリックで個々の要素から母集団要素への変換、また、その逆の変換ができるようになりました。
- [plots] ビジュアルキューをプロット上に設定した後、自動的にオフに切り替わるようになりました。
バグフィックス:
- [simulation] Occasion が1つしかない場合、個人の実測値の変動性は考慮されませんでした。
- [results] Replicate が1つしかない場合でも、エンドポイントの SUMMARY タブに結果が表示されました。
- [results] 結果の名前を変更すると、グループ比較の要約で結果が重複しました。
Sycomore
バグフィックス:
- comparison タブでは、RSE の NaN は表示されず、空のセルが表示されていました。
- mlxtran ファイルを 1 つだけ含むフォルダーを選択すると、フォルダーと scan ボタンが表示されませんでした。
Lixoft Connectors / Command Line
機能強化:
- R から収束評価を実行するための新しい Monolix コネクタが追加されました。
- インターフェイスのように結果とエンドポイントを定義および計算するための新しい Simulx コネクタが追加されました。
- インターフェイスで使用可能な新機能をカバーする新しいコネクタ (formatData、generateReport、getCACost) が追加されました。
- コマンドラインから直接レポートを生成する新しい関数 reportGenerator が追加されました。
- GUI と同じフィルターを使用してライブラリモデルを選択するための新しいコネクタが追加されました。
- 認識されない引数の場合のエラーおよび警告メッセージが修正されました。
- 各機能の詳細な説明と実際の例を含む、Simulx コネクタの広範なドキュメントが追加されました。
- setConsoleMode (GUI のように計算の進行状況を表示する) は、Simulx と PKanalix でも利用できるようになりました。
バグフィックス:
- [getChartsData] getChartsData は、特定のプロットが要求された場合でも、すべてのプロットのチャートデータを計算していました。
- [defineTreatmentElement] 共変量によって処理をスケーリングするオプションが GUI 上で使用できましたが、コネクタでは使用できませんでした。
- [definePopulationElement] 複数の行で母集団パラメータ要素を設定しようとすると、エラーではなくクラッシュが発生していました。
- [setGroupElement] 複数の要素を同じシミュレーショングループに設定するときにエラーが発生していました。
- [command line] ”-t monolix”が使用された場合、”-no-gui” が考慮されませんでした。
- [newProject] newProject は modelFile="lib:…" で動作しませんでした。
- [deleteOccasionElement] プロジェクトに Occasion が存在しない場合、deleteOccasionElement は mlx_Cov を削除していました。
- [setData] setData (およびそれを使用する Rsmlx の関数: bootmlx、confintmlx) は、特定のケースで一部のマシンでデータを適切に設定せず、“Inconsistent observation names between observation types and data file inputs” というエラーが発生していました。
- [define..Element] 共通要素の Occasion ごとの定義で、Occasion 列が適切に考慮されていませんでした。
- [getTreatmentElements] getTreatmentElements() が切り捨てられた行数を返しました。
その他
- ODE solver CVODE がバージョン 5.5 にアップグレードされました。