Simulx は、臨床試験を計画する前段階でさまざまな治療法、被験者数、母集団を設定してシミュレーションを行うことで、臨床試験に掛かるコストの削減、開発サイクルの短縮を実現します。複雑なモデルをインタラクティブに探索し、視覚化します。Monolixで生成したモデルを使用する事でより効率的なシミュレーションを実現します。
Simulx の機能
臨床試験シミュレーション
シミュレーション要素(パラメータ、共変量、出力など)の定義 ユーザーインターフェースを使用してシミュレーションに必要な以下の要素を定義します。
Model (モデル) | Covariates (共変量) | Occasions (時期間変動) |
Treatments (投与条件) | Outputs (出力) | Regressors (回帰分析) |
Population parameters (母集団パラメータ) | ||
Individual parameters (個体パラメータ) |
モデル探索
定義した要素(パラメータや投与計画)を個々のデータ毎、もしくは投与計画毎のグループとして探索することでモデルへの影響を確認して、要素を変更することや新たに要素を追加することが可能です。
シナリオ(治療群)毎のシミュレーション、結果の比較
インターフェース上で複数のシミュレーションシナリオ(治療群)を生成してそれぞれの母集団シミュレーションを実行します。目標とする治療結果(OUTCOME)や有効性や安全性をはかる評価項目(ENDPOINT)を設定して、シナリオ間での結果を比較することで、より成功確率の高い要素やシナリオを得ることが可能です。
解析実行例
・複数回投与シミュレーション以下の手順により 複数回投与シミュレートを行い、負荷投与量によって3日目に PCA が正常の 35% 未満になる被験者の割合を調査します。
Monolix からプロジェクトファイルの読み込み
- Simulx では、PKanalix で実行した CA の結果、Monolix で構築した母集団モデルやデータセットを読み込むことができます。臨床試験シナリオの探索
- 1名の被験者を対象に各パラメータ(母集団モデル、パラメータ、投与情報)を調整し、良好なシ ナリオを探索します。
元のシナリオでは早期(2回目の投与)時に定常状態を迎え、その後濃度が下がるオーバーシュートの状態が発生しています。オーバーシュートを避けつつ、PD の減少も緩やかになるシナリオを探すため、パラメータ(クリアランス)の調整(図1)や投与量の調整(図2)を行います。図2の場合、オーバーシュートを避け、PDの減少も緩やかになっていることがわかります。
図2のシナリオと負荷投与を行わいシナリオでシミュレーションを実行します。
Y軸に35%の線をX軸に96時の線を追加し、3日目に35%となるパーセンタイルを確認します。
さらに、目的の数値に正確に得るため、Outcome と Endpoint を追加し、シミュレーションを実行しました。結果、図2のシナリオの場合は100名中77名が目的(PCAが35%未満)を達成したのに対して、負荷投与を加えていないシナリオの場合は100名中59名となることがわかり ました。