in vitro 膜透過シミュレーションソフトウエア
MembranePlus™ は、シミュレーションを通して、in vitroにおける膜透過性試験から重要な情報を明らかにします。
MembranePlus™は、高度な機能と使い易さを合わせ持つ、in vitro 透過性試験から重要な情報を明らかにするためのモデリング&シミュレーションソフトウエアです。in vitroにおける細胞ベース/非細胞ベース評価系からの薬物濃度をシミュレートするため、タンパク結合、リソソームトラッピング、pHの違い、振動速度、パラ セルラー透過性、担体輸送や代謝などのすべての関連実験と細胞プロセスを統合し、対応する膜透過性と in vivoの速度パラメータを計算します。MembranePlus™とGastroPlus®のコンビネーションにより、受動輸送・担体輸送双方の吸収過程におけるin vitro-in vivo 外挿(IVIVE)の予測精度の向上が期待できます。
MembranePlus™は、初期探索やDMPK部門、CROなどで利用いただくことで以下のアドバンテージをもたらします。
- 初期探索段階で最適な実験系を早期に確立し、実験数を減らすことが可能です。
- 各パラメータの影響を解析することにより、実験のばらつきを解析したり、重要なパラメータの抽出ができるため、安定した実験データ生成が可能です。
- 化合物の組織分配に影響するプロセスであるリソソームのトラッピングをシミュレーションで検討できます。
- エンテロサイトのFuを計算します。GastroPlus® で使用することで、リソソームトラッピングや圓テロサイトでの結合を引き起こす化合物の吸収および薬物動態予測を改善します。
MembranePlus™ を利用することで、以下の解析・シミュレーションを行うことが可能です。
1) in vitro 膜透過のシミュレーション
- 化合物ライブラリーのスクリーニング、試験の順位付け
- 膜透過プロセスの予測 (パラセルラー、トランスセルラー等)
- 肝細胞プロセスの予測(拡散クリアランス、リソソームトラッピング、胆汁排泄等)
- 細胞内濃度の推量(膜、細胞質、リソソーム)
- 予測結果における、実験ばらつきの影響評価
2) in vitro 膜透過データの解析
- パラセルラーとトランスセルラー識別
- 酵素やトランスポーターのin vitro KmおよびVmax の計算
- リソソームトラッピングの影響決定
- サンドイッチ培養肝細胞アッセイによる胆汁排泄経路の評価
- ロバストなモデル構築とデータから学習するためのパラメーターフィッティング
膜モデル設定
MembranePlus™ には、以下のような一般的な in vitro 系のモデルが準備されています。
- PAMPA (12, 96ウェル)
- Caco-2 (12, 24, 96ウェル)
- MDCK (12, 24, 96ウェル)
- サンドイッチ培養肝細胞(6,12,24,48,96ウェル)
- 浮遊肝細胞(6,12,24,96)
※ 米国Absorption Systems社のCaco2実験条件も選択可能です。
※ in vitro 試験系ベースの細胞単層膜モデルをカスタマイズして、ユーザーの試験を再現させることが可能です。
シミュレーション設定
MembranePlus™は、実験シミュレーションで以下を制御することができます:
- ドナーとレシーバーコンパートメントのpH
- ドナーとレシーバーコンパートメントへのアルブミン添加
- 振動/撹拌速度
- ドナーとレシーバーコンパートメントの溶液量
- 容積または薬物濃度に影響を及ぼすサンプリング
- サンプリング量
- サンプリング時の補充-ブランクの緩衝液またはオリジナルのドナー液
- レシーバー側コンパートメントへの、異なるブランク緩衝液プレートの挿入
- 細胞培養時間
- フィルターの表面積
- フィルターの細孔径と密度
シミュレーションモードの選択
MembranePlus™では、以下の計算モードを選んでシミュレーションを実行することができます:
Single simulation:
薬物特性(実測値やオプションモジュールによる予測値)に基づき、実験を設定し、各濃度(apical, basolateral, 細胞、リソソーム等)の時間推移を予測します。また、異なる透過性(トランスセルラー、パラセルラー)での計算を行います。
Parameter Sensitivity Analysis:
重要な評価項目について、特定のプロパティに対する"変更"の影響を素早くに評価します。これにより、次にどの実験をするべきかを明らかになるため、リソースの配分を効率良く行うことが可能となります。
Batch Simulations:
予測膜透過性を基にして、化合物ライブラリーの迅速なスクリーニングや同一化合物での異なる実験を行うことができます。
Optimization:
ユーザーの測定濃度 vs 時間データを用いて、よりロバストなモデルを構築し、ケミカルシリーズから「学習」するためにパラメータをフィッティングします。
※ いずれのモードを用いても、レポート品質の計算結果が簡単に生成されます。
ADMETPredictor モジュール
ADMETPredictorモジュールは、MembranePlus™ のシミュレーションに必要な物理化学的プロパティやCYPによる代謝速度パラメータを化学構造から予測し、インポートすることができます。
ADMETPredictor モジュールは以下のプロパティを自動で予測します。
- pKa
- Aqueous solubility vs. pH profile
- logP
- logD-vs-pH profile
- Diffusion coefficient in water
- Molecular radius (for calculating paracellular permeability)
- CYP metabolism kinetics - Vmax, Km, and CLint for 5 major isoforms
- P-gp and OATP transporter inhibition models (classification)
ADMETPredictorモジュールの利用によりで以下のような利点があります。
- 化学構造のライブラリーを読み込み、膜透過や肝細胞の拡散クリアランスをスクリーニングするデータベースを素早く設定し、試験の順位付けを行うことができます。
- 測定データを構造ファイルに統合してシミュレーションを行うことで、プロジェクトデータベースを簡単に作成できます。
SimulationsPlus 社製品ソフトウエア一覧
GastroPlus® 薬物動態解析・製剤設計支援ソフトウエア | |
ADMET Predictor® ADMET物性予測ソフトウエア | |
DDDPlus™ in vitro溶出試験シミュレーションソフトウエア | |
MedChem Designer™ 分子構造作成とADMET物性予測機能を備えたフリーソフト | |
MembranePlus™ 膜透過性試験データをベースにしたシミュレーションツール |