ADMET Predictor® 11.0 Linux 版 インストールガイド
【前提条件】
- 一般ユーザアカウントが作られている Linux PC であること。
- 社内ネットワーク、あるいはインストールする Linux PC 本体で Flexera License Server が起動されていること。
- クライアントとなる Linux PC に Linux Standard Base (LSB) コアパッケージがインストールされていること。Ubuntu や同様のシステムでは、"sudo apt-get install lsb-core" などのコマンドを使用し、その他の Linux ディストリビューションでは、類似のコマンドを使用して、このパッケージをインストールしてください。
インストールを始める前に Flexera License Server が起動していることを確認ください。ADMET Predictor は正式なライセンスがないと実行できませんので、この点をご注意ください。Flexera License Server を Linux PC にインストールする場合は、以下を参照ください。
https://www.northernsc.co.jp/f_linux.php
【インストール操作】
- Step 1.
- ADMET Predictor を置くディレクトリを選択、あるいは作成します(例えば、ユーザーの home ディレクトリの下、あるいは許可されたユーザーがアクセスできるディレクトリなど)。
- Step 2.
- 端末ウィンドウで、AP110_Linux_Install.tar.gz ファイルを、tar コマンドを用いて展開します。
$ tar -zxvf AP110_Linux_Install.tar.gz
このディレクトリは使用するユーザーに対して読み込み/書き込み権限が必要です。これは、モデルデータベースである "ModelProperties.inp" や "TooltipsAndFormats.inp" が定期的に更新される必要があり、エラーログも作成/更新されるためです。
- Step 3.
- ADMET_Predictor_v11 ディレクトリにある “RunAP.sh” を修正します。二つの変数、ADMET_PREDICTOR_PATH と SIMPLUS_LICENSE_FILE をこのスクリプトファイルに書かれている説明にしたがって修正します。実行ファイルのパス、ライセンスファイルの(ポート番号と)サーバーIPを、例えば以下のように、それぞれ指定します。
例)
export ADMET_PREDICTOR_PATH=/home/guest/ADMET_Predictor_v11/
export SIMPLUS_LICENSE_FILE=49602@192.168.0.1
- Step 4.
- ADMET_Predictor_v11 ディレクトリの中で以下のコマンドを実行してテストします。
$ ./RunAP.sh -t QMD -d 2D Demo2D.qmd
標準出力に注意し、ファイル "Demo2D.dat" や "ADMET_Predictor_Errors.log"、"Troubled_SMILES.txt" の内容を調べて、もし、エラーが生じているようであれば、弊社までご連絡ください。
注意事項:
- ADMET Predictor を実行するためには、libstdc++6 や g++-11 のように依存関係のあるプログラムをインストールしなければならない場合があります。これらのプログラムをインストールできない場合は、これらが組み込まれている ADMET Predictor 静的リンクバージョン (ADMET_Predictor_static) を実行してください。RunAP.sh ファイルの内容を変更して、ADMET_Predictor ではなく ADMET_Predictor_static を実行するようにします。
-
Docker コンテナ内で ADMET Predictor を実行することができます。このアプローチにより、メインシステムに干渉することなく、さまざまな依存関係のあるプログラムをインストールすることができます。Docker コンテナ内で実行する場合は、常に ADMET Predictor の動的バージョンを使用する必要があることに注意してください (上の 1 を参照)。
- ADMET Predictor の Linux 版はコマンドラインを使って、計算結果をタブ区切りファイル(*.dat)やその他の形式のファイルに出力する使用法に限定されています。詳細は ADMET Predictor のマニュアルにある “Command Line” の章を参照ください。また、"RunAP.sh -h” でコマンドラインオプションを表示させることができます。
- Linux 版には 2 次元座標を生成する機能はありません。そのため、RDF や SDF への出力の場合、すべての原子座標が 0 になります。ただし、SDF を入力として実行する pKa マイクロステートの出力オプション(-w オプション)の場合は例外です。この場合、入力ファイルの座標が出力ファイルに引き継がれます。
- 実行形式ファイル “ADMET_Predictor” 自体を実行するのではなく、常に RunAP.sh シェルスクリプトを使ってプログラムを実行する必要があります。スクリプトは、マニュアルやチュートリアルで説明されているものと同じオプションを受け付けます。
- ADMET Predictor は Linux 上の Pipeline Pilot と連携させることが可能です。Pipeline Pilot コンポーネントやサブプロトコルは "ADMET Predictor component for Pipeline Pilot.zip" に含まれています。
ご不明な点がございましたら弊社までご連絡ください。